ついに!京都市簡易宿所駆けつけ要件 規制強化
2018年06月01日
簡易宿所も駆け付け要件義務づけ 京都市が規制強化へ
京都市は、9人以下の1組が利用する一棟貸しの簡易宿所を対象に、玄関帳場(フロント)の設置基準を見直す。改正旅館業法に伴う国の通知に基づき、施設外への設置を認める一方、家主不在型の民泊と同じく「駆け付け要件」を義務づけ、施設まで10分以内で行ける場所への従業員らの駐在を求めて規制を強化する。市議会で31日、関連条例の改正案が成立した。
改正旅館業法、住宅宿泊事業法(民泊新法)と同じ6月15日に施行する。既に営業する簡易宿所への駆け付け要件の適用開始は2020年3月末まで猶予するが、近年増えている簡易宿所の運営に影響が出そうだ。
改正旅館業法に基づく国の通知で、簡易宿所は建物外のフロントで本人確認や鍵の受け渡しなどが認められることになった。また、施設外フロントが複数の簡易宿所に対応することも可能となる。
市は通知に対応するとともに、市民生活への影響などを考慮して一定の規制をかけるため、フロントの施設外設置を認める簡易宿所を9人以下の1組が利用する一棟貸しに限った。「宿泊中に顔見知りしか出入りしない小規模施設なら客同士のトラブルは起こりにくく、施設外のフロントでも対応できる」と説明する。
民泊新法施行を控え、民泊の営業を検討している事業者らが市の厳しい独自ルールを敬遠して簡易宿所に流れる動きが予想される中、駆け付け要件を義務づけた。家主不在型の民泊と基準を合わせることで、市内での宿泊施設の適正化を促す狙いがある。
京町家を使った小規模施設(9人以下の1組向けの一棟貸し)は条例改正前と同様にフロントの設置を免除するが、駆け付け要件の適用対象には含める。
市医療衛生推進室によると、市内の簡易宿所は3月末現在で2291施設。規制強化の対象となり、対応を迫られる施設は約半分にあたる1千施設程度(京町家を含む)とみられる。